EAPについて
What's EAP
EAPとは、“Employee Assistance Program”略称で、職場のパフォーマンスを向上させるために、行動科学の観点から個人や企業に解決策を提供するプログラムです。 組織が健康に機能し、個人が十分能力を発揮できるように、EAPは組織と人にコンサルテーションを行います。
EAPは、職場のストレス、人間関係、リストラ、セクハラ、サバイバー症候群、育児、介護…など、知らず知らずのうちにプレッシャーとなっている原因と客観的に向き合い、解決の糸口を探し、健康な状態を維持するのをサポートします。
国際EAP協会(EAPA:本部 米国バージニア州)ではEAPを以下のように説明しています。
- 職場組織に生産性に関連する問題を提議する。
- 従業員であるクライアントに対し、健康、結婚、家族、経済的、アルコール、ドラッグ、法的、感情的、ストレス等の仕事上のパフォーマンスに影響を与えうる個人的問題の発見、解決を援助する。
EAPの歴史
EAPは、1940年代米国で職場のアルコール対策として始まり、アルコール依存の従業員の回復を助ける目的で発展しました。
1970年代に米国で、国立アルコール依存研究所、国立薬物依存研究所が設立されたのに伴い、全連邦政府職員に対してアルコール対策の提供を義務付け、連邦基金で各州に2名の産業コンサルタントが配備されました。
その後、従業員が抱える問題が多様化したため、アルコール問題だけではなく、心、家族、夫婦の問題も取り扱う現在のEAPに近いサービスが提供されるようになりました。
1971年にEAPに携わるコンサルタント達によって、ALMACA(現国際EAP協会)が結成されました。
1980年代には、米国全土の企業、病院、学校、行政機関などでEAPが広まっていきましたが、EAPが浸透するに連れ、サービス内容も拡大したため、EAPのサービス内容に定義づけが必要となり、1985年に「EAPコアテクノロジー」が出版されました。
そして、1987年にCEAP認定制度も開始しました。
1989年にALMACAから国際EAP協会と改称しました。
2003年には、従業員数50名以上の組織のほぼ100%がEAPを導入しています。
EAPサービス会社の選び方
米国のEAPの専門家団体であるCOA(Council On Accereditation)はEAPプログラム評価の項目を示しています。以下はその抜粋の和訳です。 日本の事情に必ずしも合わないと感じられる項目がありますが、外部のEAPサービス会社を選択する上で現在のところ最良チェックリストだと考えられます。
EAPプログラム評価項目 EASNA方式のEAPプログラム認定では、2名の評価者が書面や面接を通してそれぞれのEAPプログラムのスタッフに以下の項目に答えてもらい、必要であれば、書類を監査して、合格の場合は完全(Full)認定か暫定的(Partial)認定の結果が伝えられます。完全合格はEAPプログラムをはじめてから3年以上経っていることが前提条件で、プログラムが以下の11項目を満たしていることが条件となります。
- 1.EAPプログラム運営について
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- カウンセリングルームの広さ、防音対策
待合室は他のクライアントと顔を合わせないようなレイアウトか - 運営時間は社員が利用しやすい時間に設定されているか
- 車椅子でのアクセスは可能か。トイレは車椅子アクセス可能か
- 運営時間外の緊急ケース処理の手順はできているか
もしあれば、その手続きは書面化されていて、全EAPスタッフに行き届いているか - 職場の規則としてEAPスタッフがクライアントに特定の専門医、あるいは病院を紹介することで個人的利益を得ることを禁止しているか
- EAPマネージャーの資格やレベルが明文化されているか(CEAP、医師、臨床心理士など)
- カウンセリングルームの広さ、防音対策
- 2.プログラム・デザインについて
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- EAPプログラムのメニューの決定方法はクライアント組織とその社員のニーズにあわせているか
その決定方法は書面化されているか - EAPのポリシーおよびプログラムの記述をした正式文書があるか
- EAP全体の方向性を与えるためのEAPプログラム顧問委員会または顧問がいるか
- EAPを新規クライアント企業で展開するための手順は書面化されているか
- EAPプログラムのメニューの決定方法はクライアント組織とその社員のニーズにあわせているか
- 3.プログラム実行
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- EAPプログラムは社員や管理職にとってアクセスがしやすいか
- インテークの仕方が書面化されているか
- EAPスタッフはサイコソーシャル・アセスメントができるか
- 緊急、および普通のケースに対する対応プロセスがあるか
- クライントの職場復帰・社会復帰プロセスがあるか
- 介入後のクライアントへのフォローアップ・プロセスがあるか
- 4.ケース・ファイルについて
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- クライアント毎に別々のケース・ファイルがあるか
- 各ケース・ファイルは名前別ではなく番号別になっているか
- クライアントの名前の保存場所とケース・ファイルの保存場所は別の場所になっているか
- 5.秘密保持について
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- 秘密保持に関するポリシーが書面化されているか
- クライアントの情報開示のプロセスが書面化されているか
- クライアントの情報開示の同意書があるか
- 6.カウンセリングスタッフ
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- EAPスタッフは非倫理的、ヒューマニズムに反する行為をしてはいけない、という倫理規定があるか
- スタッフは専門的学会に属し、その倫理規定、あるいは行動規定に従っているか
- 7.スーパービジョン
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- スタッフ・スーパービジョンの頻度に関するポリシーがあるか
- プログラム・マネージャーも1ヶ月に少なくとも2時間のスーパービジョンを受けているか
- 修士以上の臨床スタッフ(臨床心理、臨床ソーシャルワーク、精神科医)は30時間のクライアント・コンタクト時間数に対し、少なくとも1時間のスーパービジョンを受けているか
- 学士レベルの臨床スタッフは40時間のクライアント・コンタクト時間数に対し、少なくとも2時間のスーパービジョンを受けているか
- 8.スタッフ・トレーニング
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- EAPスタッフは継続教育を受けるというポリシーがあるか
- 定期的にスタッフのトレーニング・ニーズの調査しそれに見合うトレーニングを行っているか
- EAPの倫理領域に関するトレーニングを行っているか
- 9.メンタルヘルス・ケアのクオリティについて
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- メンタルへルス関連の相談者に照会できる、外来精神科治療、心理療法、入院治療など違うレベルのケアを勧める際のガイドラインがあるか
- 10.評価
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- 組織として目的を達成しているかどうかを測るプロセスがあるか
- 11.研究
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- EAPスタッフがクライアントを研究の対象とするとき、研究のためにデータがどのように使われるか
- 研究がクライアントにどのように影響を与えるかなどのプロセスができているか
EAPサービス品質測定方法
EAPサービスは守秘義務を強く守るあまりに、開示できる情報には限度がありますが、良質のEAPサービスを提供するための切磋琢磨も必要です。
そこで個人情報や相談内容については聞けなくても、EAPプロセスの品質を測定する方法がいくつかありますので、ここでご紹介します。
- 1.利用率
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総社員数に対し何人が利用しているか?
利用率は年率1%や5%などと各社発表していますが、EAP会社によって計算のしかたにばらつきがあり、EAP会社間の比較が困難です。
ここではアメリカのモデル的計算例を紹介します。
( 1年間の新規相談社員数 )÷ ( 社員数 ) - 2.面談回数
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一人あたりの面談回数は何回か?
良質な面談には無駄が無い。下手なカウンセラーは余計な時間をかけてしまう場合があります。
国際EAP協会によると上手なカウンセラーは一人平均5-7回でケースを終了しているといわれています。 - 3.傷病日数の変化
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メンタルヘルス関連が原因の長期傷病休暇者の日数が低下、あるいは安定していなくてなりません。
日本EAP協会の報告では内部EAPを実施した外資系企業において、40%の傷病日数低下を実現できた例が発表されています。 - 4.プロバイダーとの連携
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EAPコンサルテーションは問題把握と問題解決の支援、その延長のケースマネジメントであり、長期の心理療法は入りません。
また、ある一人のEAPコンサルタントは様々な問題の専門的アドバイスをすべて網羅はできません。
以上のような理由で、EAPサービスには専門的サービスプロバイダー(精神科医、臨床心理士、弁護士、ケア・マネージャー)などへの紹介と場合によっては利用料金の補助が入っています。
EAP契約をする場合は、プロバイダーの種類、地理的範囲、料金体系などを確認します。







